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June 30, 2006

栃木路

休暇を利用して日光を訪れました。

どうしてかはわからないのですが、この数か月、東武沿線に興味を引かれ、先々週は新栃木を往復し、先週は寄居と羽生を回る等、特に目的もなく鉄道に乗ることを楽しんでいました。東武鉄道は、私鉄では近鉄に次いで全国で2番目の営業キロをもつ会社だそうです。私は沿線に住んでいるわけではありませんが、近くに半蔵門線が通っていて、そこに東武伊勢崎線の直通列車がくるものですから、それが元で少しずつ興味をもったのかもしれません。ちなみに直通列車は南栗橋(日光線)、久喜(伊勢崎線)まで行っているのですが、先週と先々週の「乗り鉄」により、それが東京からどのくらい遠いところなのかの感覚を覚えました。東武鉄道の歴史については、現在、本を読んで研究しているところなので、後日、詳しく書きたいと思います。

そんな東武鉄道への興味がきっかけで、私は泊まりで栃木を訪れることにしたのです。鹿沼に厚生年金の宿泊施設があるのですが、健保組合から補助金が出て、温泉もあるので宿はそこに決めました。私の住まいは江東区なのですが、日光方面への玄関口は意外に身近なところにあります。それは亀戸駅なのですが、たった5駅の路線である東武亀戸線に乗り、曳船に出て、そこで本線に乗り換え、北千住から特急に乗るのです。一見、乗り換えが面倒そうですが、亀戸線は10分間隔くらいで出ているし、曳船での乗り換えもそれほど待ちません。それに、下町を行くワンマン列車の亀戸線は、ひと昔前に帰ったような気にさせてくれて、都心においては貴重な列車です。

北千住から特急スペーシアに乗り換え、新鹿沼までは約1時間と少々の乗車です。竹ノ塚、草加、越谷といった都心への通勤圏内の駅をあっという間に駆け抜けて、春日部に停車したあとはもう栃木です。春日部を過ぎると、車窓の景色はそれまで商業施設や住宅地ばかりだったのが、だんだん田園風景に変わっていきました。列車は目的地の新鹿沼に着きました。田舎の地味な駅ではありましたが、改札の横には名産品がショーケースに陳列してあって、駅として観光地としての面目は果たしていたように思います。

駅から宿舎まではバスで行くつもりでしたが、バス停の時刻表を見ると調べてきた発着時刻と違うようだったので、散歩がてら歩くことにしました。バスだと20分かかると書いてあったので、1時間もあれば歩けるだろうと思いました。簡易的な地図を持っていたのですが、JR鹿沼駅を経由して、そこからちょっと足を伸ばせばすぐに着くのものだと私は見て取りました。17時20分頃、そんな軽い気持ちで出発すると、川を越え丘を上がり、地図で見るより実際は遠かったのですが、それでもJR鹿沼駅までは順調に進むことができました。ここで時刻は18時過ぎ。予定ではもう10分くらいで着くつもりでいたのですが、ここが簡易地図の落とし穴。実際はここから先の距離の方が長かったのです。しかも、曲がらなければいけない箇所に特に目印がないので、途中で道を間違え、気がつくと淋しい林道にぽつりと薄暗い中一人で立っていました。しかも宿舎の電話番号も控えてこなかったので、私は遭難状態に陥りました。さらに、時計はもうすぐ食事時間の19時を指そうとしています。仕方がないので、とりあえず来た道を戻り大きな通りに出ました。そして、携帯Yahoo!で何とか宿舎の電話番号をつきとめて、道のりを教えてもらうことができました。「え、そこから歩きですか。あと20分くらいかりますよ。」と言われましたが。

健脚には自信がありますが、慣れない靴を履いてきたものですから、足の裏にマメができて、それが痛くて歩くのが辛い状態に陥っていました。しかし、食事時間を過ぎていたこともあり、そんなことも言ってられなかったので、小走りも交えながら汗びっしょりになって、ようやく本日の宿泊先であるウェルサンピア栃木に到着することができました。

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※写真は栃木駅(今回の旅の写真ではありません)。

続く

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June 06, 2006

杉良太郎 絵画展

上野松坂屋で開催中の、「杉良太郎 絵画展」へ行ってきました。学生時代はたまに美術館へ行って絵を見た記憶がありますが、社会人になってからは初めてかもしれません。

杉良太郎先生が描かれているのは油絵です。驚いたのは、絵を描き始めたのがわずか15年前のことで、しかも独学で始められたということです。私は芸術のことはよくわかりませんが、歳を取ってからでも自分の知らない才能が開花するということがあるのですね。

私は、展示された作品、説明文から何かを感じ取ろうと、夢中で絵と文字を追いかけていきました。展示は春夏秋冬の4コーナーが順に続いていて、花を描いた作品が多いので、純粋に季節感を楽しむこともできました。

春は桜を描いた作品が大半でした。どの絵もダイナミックかつ繊細で、左と右、手前と奥、明と暗、濃と淡といったいろんな対称をバランス良く取り入れているように思えます。しかも、そんな多彩な要素を詰め込み過ぎず、程よく1枚の絵の中に取り入れているところがセンスの良さなのでしょう。きっと、舞台の演出と同じ気配りなのだと思います。春で印象に残ったのは「岐路に立つ」という作品なのですが、中央に満開の桜の樹が大きく描かれていて、その両脇に左右それぞれの方向に道が伸びているのです。人生の別れ道を暗示しているのでしょう。そう聞くと、迷いとか、悩ましいイメージが思い浮かぶのが普通でしょうが、その絵の様子は全く反対で、華やかで、優雅で、そして堂々と地に座る大きな桜の木が、見る人を勇気づけてくれるのです。きっと、「左へ行っても右へ行っても正解なんだよ」という先生のメッセージなのだと思います。

夏はあじさいやひまわりの絵がたくさんありました。春はさくら、夏はひまわりといった真っ向勝負のようなわかりやすさに、作者の性格が垣間見えます。さて、それぞれの作品には主題となっている花や山が大きくわかりやすく描かれているのですが、その背景に目を移すと、そこには空や水が控えめながらも生き生きと描かれているのです。不思議なのは、写真のようなリアル感はなくて、確かに人によって描かれている背景なのに、なぜか本当に空を見たり海を見たりしたときと同じように自身の五感が反応するのです。そして、そんな風に見とれていると、自分がそのまま絵の風景の中に入れてしまうような気さえしてきます。

秋は夕陽や紅葉の赤い色の作品が目立ちました。「朝焼けの富士」という作品があるのですが、富士山がキャンバスいっぱいに大きく描かれていて、富士山がその左側から陽に照らされていました。その照らされて染まっている山肌の赤色が、「色」という枠を飛び越えて、陽の暖かさをも感じさせてしまうほど、見ている人の感覚に直接飛び込んでくるようでした。絵に向かって両手をかざしたら、本当にあったかくなりそうでした。

冬の絵はそれまでの優しい印象とは異なり、直線部分が多くて引き締まった厳しい雰囲気を感じました。それでも一緒に描かれている木や空にはやわらかさがあって、厳しい中にも優しさが添えられているように思いました。

他にも動物や仁王像を描いたもの、そして自画像もあって、盛りだくさんの絵画展でした。私のような素人でもこれだけ感想が書けてしまうくらい、作品からたくさんのことを感じ取ることができました。

杉先生が仰っている描きたい対象に出会ったときに「筆を取りたくなる」気持ち、良い作品が描けそうなときの「ドキドキ感」というのは、失礼ながら、私が書きたい対象に出会ったときの「パソコンに向かいたくなる」気持ち、良い文章がかけたときの「ワクワク感」に通じるものを感じました。

絵画展は本日、6日までとなっております。お時間のある方は是非、上野松坂屋へ足をお運びになって下さい。

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