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August 07, 2007

當麻寺

当麻寺駅は乗降客がまばらな田舎駅でした。改札を出て、當麻寺までは10分くらい歩きます。昔ながらの家屋や緑が鮮やかな田んぼの合間を細い道が続いていきました。肌を焦がすようにジリジリと照りつける日差しは、体の芯からも熱を沸かせるようで、東京とは違って大変に強烈でした。

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當麻寺周辺の景色

この前日、タイミングよく「百寺巡礼(奈良編)」という五木寛之の本を私に貸してくれた人がいました。そこには、今回私が回る予定の當麻寺、薬師寺、唐招提寺についてが書かれていたのでとても参考になりました。読んでしまうと先入観ができてしまうというデメリットはありますが、逆に、ポイントを逃さないということの有意義さを取って、私は電車で一読したのでした。

今回、私がこのお寺を選んだのは東塔、西塔の三重塔を見たかったからです。いずれも奈良時代の創建当初の建築だそうで、千数百年という時間を旅してきたその姿と対面してみたいと思ったのです。しかし、本を読んでいるうちに、私の興味はこの寺の立地と中将姫の伝説へと移っていきました。

私は本に紹介されているとおり、仁王門に向かって階段を上がっていき、その門を額縁に見立てて奥の二上山の風景を切り取ってみました。
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「百寺巡礼」によると、飛鳥時代、都で権力者が亡くなると、大和から二上山を越えて河内で埋葬されたそうです。大和の人々にとって、二上山のふもとに位置するこの寺は生と死の結界、そして山の向こう側は死者の国だったのです。私もそんな思いで二上山を見上げていると、静けさや孤独感のような何とも言い難い空気を感じたのでした。大和から二上山の方角は西です。東から日が上り、そして西へ沈むように、この地の人々の魂は大和から河内へ向かっていくということなのでしょうか。

参拝を終えると、私は西塔へ向かいました。高い位置にあるので、真下から見上げる感じになるせいか、実際の大きさよりも堂々としていて立派に見えました。ただ、それよりも西塔は周辺の雰囲気も含めて何か寂しげな印象を受けました。一方で、そのあとに見た東塔は賑やかで明るい感じを受けて、西塔と対照的に思えました。これは私が実際に受けた直感的な印象なのですが、今思うと、さきほど述べた西と東の話に通じているような気もします。

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西塔

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東塔

このお寺の本尊は当麻曼荼羅という、いわゆる織物で作られた絵です。中将姫が一夜にして織り上げたという伝説が伝えられていますが、本堂にはその中将姫の像があります。「百寺巡礼」では「セクシー」と紹介されていますが、その表現が適切かどうかは置いておいて、確かに、一般の仏教的な感覚からすると異質の魅力というか、引き付ける魅力があると思います。當麻寺を訪れた方は、是非、中将姫の伝説をお読みになって(ネットでいろいろ紹介されています)、そして本堂の中まで入って像に会ってみて下さい。

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