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October 29, 2007

池上本門寺

本門寺にやってきました。私は大井町の生まれなので、池上のあたりは子供の頃から何度か足を運んだことがあり、この地域の空気には親しみがあります。

品川区から大田区あたりの国道1号線周辺は、土地に起伏があって坂道や階段が数多く点在します。面白いことに、本門寺の周辺はそういった連続した起伏から独立して、ひとつの山のように存在しているのです。そして、一帯は緑が深く、本門寺の関連施設や墓地、公園などと一体化して、人々の魂の故郷のような安心感を感じさせるところです。

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参道から総門を抜けると、此経難持坂(しきょうなんじざか)という長い石段が待っています。駐車場はこの上にあるので、車で来場すると石段を上がることなく本堂へ行けてしまうのですが、お参りするならやはりこの総門から入ることをお勧めします。
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石段を上がる手前の左手に、実に庭の手入れの行き届いた小さなお堂があったので、気になって寄ってみました。そこは理境院といって、日蓮宗のお寺です。
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96段の石段を上り終え、振り返ると、見晴らしの良い清々しい景色が広がります。そして先へ進むと正面に仁王門、その手前右手には長栄堂があります。長栄堂はこのお寺の守護神を奉安しているそうですが、その内側の装飾がとても賑々しくて、参詣者をとても明るい気持にさせてくれるところでした。
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仁王門をくぐると、いよいよ大堂が真正面に見えてきます。本門寺は昭和20年に空襲による甚大な被害を受けており、大堂もその際に消失した施設のひとつです。現在の大堂は昭和39年に再建されたものになりますが、縦に長い大きな瓦屋根を持った大変立派な建築です。でも、私が最も素晴らしいと思ったのは、背景に空しか見えないということです。台地の頂上に位置するとはいえ、高層ビルが乱立する昨今、この東京の真ん中で本堂が空一色のみを背にできるとは、奇跡に近いような気すらします。この立地と向きを考えた人の先見力の素晴らしさか、それとも偶然なのか、どちらなんでしょうね。いつまでも、この景観が保たれるといいですね。
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大堂を正面に見て右手の方向に進んでいくと、朱塗りの五重塔があります。この五重塔は戦火を免れた創建当初(1608年)の建築で、重要文化財になっています。私が見たのは夕方の西日が差す時間帯だったのですが、五重塔に向かって歩いていくと、木々の枝越しに上部三層が夕日に照らされ、その朱色がこの世のものとは思えないような異質な魅力を浮かび上がらせていました。その色彩に私は思わず吸い込まれそうになりました。

このあと、私はこの山の西側の風景を見ようと思い、大坊本行寺の方へ歩いて行きました。しばらくして気が付くと、もう薄暗くて人気がほんとんどない墓地の中。普通なら、そんな寂しい場所にはあまりいたくないと思うのでしょうが、そこはなぜか安心していられるのでした。

この地は日蓮聖人が最後を迎えた霊跡で、本門寺は日蓮宗の大本山です。このお寺の山が一帯となって訪れる人々を温かく迎えてくれる、そんな空気をとても感じるお寺でした。

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